山と温泉で心と体を整える、兵庫から始まる癒やしの旅
- 掲載日
- 2026.10.02
- 最終更新日
- 2026.10.07
旅とグルメを愛する編集部。好奇心の赴くままに、国内外どこへでも取材に出かけます。土地の魅力やおいしいもの、そこで暮らす人々の物語を探して、ライフスタイル誌や観光事業の記事に神出鬼没に登場中。
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山を歩き、温泉につかり、土地に根付く文化に触れる。日常から離れた旅は、心と体をリセットするきっかけになる。
日本には、山と温泉を一緒に楽しめる場所が数多くある。なかでも日本の縮図といわれるほど多彩な風土がある兵庫県と、世界最大級のカルデラを持ち“火の国”といわれる九州・熊本県には、山と温泉だけでなく、歴史や文化、そこで暮らす人々の営みまで体験できる魅力的なエリア。
兵庫県の「書写山×赤穂温泉」、「六甲山×有馬温泉」、そして熊本県の「阿蘇山×黒川温泉」をめぐり、心と体を整える旅へ出かけよう。
書写山×赤穂温泉/書写山で体験する、日本の仏教文化とマインドフルネス
京都の清水寺と同じ懸造り(かけづくり)で建てられた摩尼殿(まにでん)。
まずは、修行の聖地である書写山(姫路市)と“よみがえりの湯”といわれる赤穂温泉(赤穂市)へ。神戸空港から市街地へのアクセスは良好で、書写山のある姫路市までは電車(神戸新交通ポートアイランド線とJR神戸線)を使い、約1時間半。書写山のふもとまでは姫路駅からバス(神姫バス)で約30分。山頂までは書写山ロープウェイに乗ろう。
晴れの日には、ゴンドラから世界最大級の吊橋・明石海峡大橋まで見渡せる。
荘厳な空間が広がる書寫山圓教寺。大講堂、食堂(じきどう)、常行堂からなる「三之堂」は、ハリウッド映画『ラストサムライ』などのロケ地にもなった。
坐禅会は2名以上の受付でお一人さま5,000円(随時予約受付。ただし法要などに重なったときは中止になる場合も)。毎月第3土曜日10:00からの坐禅会は無料。
書寫山圓教寺では、「坐禅体験」「花びら写経」「般若心経写経」「梵字写経」などの体験もできる。静かな寺院で呼吸を整え、文字を書くことに集中する時間は、日本の仏教文化に触れながら自分自身と向き合う特別な体験になる。
住所:兵庫県姫路市書写2968
TEL:079-266-3327(本坊寺務所)
書写山ロープウェイ
住所:兵庫県姫路市書写1199-2
TEL:079-266-2006
営業時間:8:30〜17:00
定休日:年中無休
HP:https://www.mt-shosha.info/
※書写山ロープウェイは2027年2月〜10月まで運休予定。詳細はHPをご確認ください。
書写山×赤穂温泉/“よみがえりの湯”で瀬戸内海と一体になる
瀬戸内海を一望できる銀波荘の特別客室。
書写山で静かに自分と向き合ったら、次は瀬戸内海を望む赤穂温泉へ。姫路駅から赤穂温泉エリアの最寄り駅・播州赤穂駅までは、JR山陽本線・赤穂線で約30分。山から海へと舞台を変えれば、旅の気分もゆっくりと切り替わっていく。
赤穂温泉は塩分やミネラルを含む温泉。湯に浸かりながら海を眺める時間は、旅の疲れをゆっくり癒やしてくれる。また、湯量減少の危機を新しい源泉を掘削することで乗り越えた歴史から、“よみがえりの湯”ともいう。海と人の手によって再生した湯だ。
水平線が見える露天風呂。視界を遮るものがなく開放感たっぷり。
絶景露天風呂の宿「銀波荘(ぎんぱそう)」では、海と溶け合うような露天風呂で赤穂の湯に浸れる。湯に体を委ねると、海と一体化したような心地に。
銀波荘の冬料理。清流のミネラルをたっぷり吸った地元の坂越牡蠣は、小ぶりながら濃厚な味わい。クセがなく、牡蠣が苦手な人もおいしく食べられると好評。
赤穂の自然は食でも味わいたい。銀波荘のこだわりは、素材の味を丁寧に引き立てること。その一皿一皿にも五感が刺激される。
銀波荘
住所:兵庫県赤穂市御崎2-8
TEL:050-2018-0878(電話予約センター/10:00~18:00)
書写山×赤穂温泉/塩づくりで知る海の恵み
瀬戸内海を望む伊和都比売(いわつひめ)神社の境内にあるAMAMI TERRACE。
赤穂は、瀬戸内の穏やかな海と気候、千種川がもたらす良質の砂からできた干潟に恵まれ、江戸時代から塩づくりが盛んな地域でもある。
銀波荘のすぐそばにあるカフェ「AMAMI TERRACE」では、ランチと一緒に海水から塩を取り出す伝統製法による塩づくり体験ができる。海の恵みを五感で感じられる、赤穂ならではのアクティビティーだ。
赤穂の海水で2種類の塩とハーブやスパイスをブレンドするオリジナルのシーズニングソルトをつくる。
ランチでは、焼き塩でつくったノンアルコールのソルティドッグで乾杯。
AMAMI TERRACE
住所:兵庫県赤穂市御崎2-1
TEL:0791-42-4140
営業時間:10:00~17:00(L.O 16:30)
定休日:不定休
HP:https://web.ako-kasei.co.jp/amamiterrace/
日本遺産・赤穂の塩づくりを学ぶ
−兵庫「AMAMI TERRACE」にて幻の魚の特別ランチ付き−
六甲山×有馬温泉/都市の合間に湧く地球の神秘
有馬温泉街の中心にある「ねね橋」は、欄干が映えるフォトスポット。Ⓒ神戸観光局
神戸市には、都市山である六甲山とそれに囲まれた有馬温泉がある。有馬温泉は1400年以上の歴史を持ち、道後温泉(愛媛県)、白浜温泉(和歌山県)とともに日本三古湯(にほんさんことう)として知られている。市街地から電車で約30分と、アクセスもいい温泉だ。
日本の温泉の多くは火山性温泉だが、有馬温泉は非火山性のプレート直結型温泉。近くに火山がないにもかかわらず高温の温泉が湧くのは世界でもめずらしく、地球の神秘ともいわれている。湯は、体を外側から温める茶褐色の「金泉」、血管を拡張して体の内側に効く透明の「銀泉」の2種。金泉で体を芯まで温めたあとに銀泉で血行を促すのがいいという。温泉街には日帰り共同浴場もあり、気軽に金泉と銀泉が楽しめる。
旅館「竹取亭円山」には、金泉・銀泉貸し切り風呂がある。
有馬天神社(有馬天満宮)の境内にある「金泉」の温泉源「天神泉源」。
風情ある有馬温泉街。湯めぐりや食べ歩きをしながら景観も味わおう。Ⓒ神戸観光局
有馬温泉
住所:兵庫県神戸市北区有馬町
TEL:078-904-0708(総合案内所)
HP:https://www.arima-onsen.com/
有馬温泉 金の湯
住所:兵庫県神戸市北区有馬町833
TEL:078-904-0680
営業時間:8:00〜22:00(最終受付21:30)
定休日:第2・4火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)及び1月1日
有馬温泉 銀の湯
住所:兵庫県神戸市北区有馬町1039-1
TEL:078-904-0256
営業時間:9:00〜21:00(最終受付20:30)
定休日:第1・3火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)及び1月1日
HP:https://arimaspa-kingin.jp/
竹取亭円山
住所:兵庫県神戸市北区有馬町1364-1
TEL:078-904-0631(受付時間9:00〜18:00)
六甲山×有馬温泉/伝統を体験し、有馬温泉の歴史を知る
江戸時代から温泉街の社交の場を彩ってきた有馬芸妓。
有馬温泉には、唄や舞踊、三味線で座敷をもてなす芸妓文化が残る。
「芸妓カフェ一糸(いと)」では、芸妓の踊りやお座敷遊びをカジュアルに楽しめる。日本の伝統芸能に興味がある旅行者にもおすすめの体験だ。
子宝・安産の縁起物でもある有馬人形筆。
「有馬人形筆」は有馬温泉ならではの伝統工芸。約1400年前、孝徳天皇が有馬温泉に逗留してまもなく子宝に恵まれたという言い伝えをヒントに考案されたもの。筆先を下に向けると豆人形がぴょこんと飛び出すカラクリ筆は、お土産にもおすすめ。「有馬玩具博物館」では「有馬人形筆からくり工作体験」が実施されている。
土地の文化やものづくりに触れることで、有馬の旅がさらに印象深いものになる。
芸妓カフェ一糸
住所:兵庫県神戸市北区有馬町821
TEL:078-904-0197
営業時間:11:00〜15:00 (土・日曜日のみ営業、現在BAR営業は土曜日のみ時間不定)
定休日:月〜金曜日
※営業時間外はメールでお問い合わせください。貸し切りは予約制の営業となります。
有馬玩具博物館
住所:兵庫県神戸市北区有馬町797
TEL:078-903-6971
営業時間:9:30〜18:00(最終受付17:30)
休館日:不定休
六甲山×有馬温泉/六甲山から眺めるドラマチックな日常
見晴らしの塔からは大阪方面まで見渡せる。
有馬温泉は六甲山とロープウェーでつながっているため、山と温泉をすぐそばで楽しめる。
六甲山の魅力は、「1,000万ドルの夜景」。山頂付近にある「六甲ガーデンテラス」の「見晴らしの塔」に登ると、名の通りの夜景が広がる。眼下に広がる無数の灯りは、人々が生活を営んでいる証。非日常は日常の延長上にあり、日常こそがドラマチックだということを教えてくれるのは、都市山の六甲山ならではの楽しみだ。
展望台「六甲枝垂れ」では、自然と建築、アートが融合した景観も楽しめる。
六甲山頂駅から有馬温泉駅行きの六甲有馬ロープウェー最終発車時刻は、冬季は17:10、夏季は20:10。夜景を長く楽しみたい場合は、タクシーやレンタカーでの移動がベター。
六甲ガーデンテラス
住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町五介山1877-9
TEL:078-894-2281
営業時間・定休日:詳しくはHPへ
HP:https://www.rokkosan.com/gt/
六甲有馬ロープウェー
住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲4512-336
TEL:078-891-0031(六甲山頂駅/六甲ガーデンテラス・GREENIA前)
営業時間・定休日:詳しくはHPへ
阿蘇山×黒川温泉/阿蘇山へ地球の鼓動を感じに
阿蘇五岳の中で現在も活発に活動する中岳。
最後は、活発な活火山による豊かな自然がある九州・熊本県へ。なかでも熊本県には世界最大規模のカルデラを誇る阿蘇山があり、火山がもたらす恵みと人の暮らしが調和した大地は、ユネスコ世界ジオパークに認定されている。新幹線が通っている熊本県は兵庫県から乗り換えなしで行ける地。熊本駅から阿蘇山までは、予約制高速直行バスである産交バスが便利だ。
大観峰から見た雲海とお釈迦さまの寝姿のような阿蘇五岳。
「パラグライダー2人乗り操縦体験」では、鳥になった気分で阿蘇の絶景へ。
阿蘇山では、パラグライダーや熱気球、ホーストレッキング、サイクリングなどのアクティビティーも充実。雄大な自然の中で心を解き放とう。
一般社団法人 阿蘇市観光協会
住所:熊本県阿蘇市小里781(はな阿蘇美敷地内)
TEL:0967-34-1600
阿蘇山×黒川温泉/火山のエネルギーで体を芯から癒やす
温泉街を一つの旅館に見立てた黒川温泉。約30軒の宿と里山が一体となった美しい景観が広がる。
阿蘇山で自然を満喫したら、阿蘇駅から直通バスで約1時間のところにある黒川温泉(熊本県阿蘇郡南小国町)で疲れをリセット。
黒川温泉は、九重火山のマグマによって温められた火山性温泉。また、7種の異なる泉質が存在する日本でもめずしい温泉郷。各宿が持つ計25カ所の露天風呂をめぐれる「入湯手形」のしくみがあり、さまざまな湯の効果を堪能できるのがうれしい。
渓流沿いにたたずむ静かな湯に心身リラックス。
手形1枚(1,500円)につき、3カ所の温泉に入浴できる。利用後の入湯手形は温泉街の地蔵堂へ奉納する人も(手形は2027年4月より料金改定予定)。
黒川温泉観光旅館協同組合インフォメーションセンター
住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594-3
TEL:0967-44-0076
山と温泉が教えてくれる、日本ならではのおもてなし
日本の山と温泉で感じる豊かな体験は、自然だけがつくるものではない。山、温泉、食、文化、人の営み。その土地でしか味わえないものに触れながら日常から少し離れることで、心と体は整っていく。それは、日本のおもてなしに触れる旅でもある。
兵庫県を取り巻くアクセスの快適さと個性豊かな自然と人のコンビネーションを味わいながら、“日本のおもてなし”を体感しよう。















