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浸かって、飲んで、食べて“源泉”をとことん楽しむ 湯村温泉の「湯がき文化」-兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
澤田珠弥テロワール研究員
女性
20代
兵庫県新温泉町
映画鑑賞・釣り
新温泉町出身でUターンで帰ってきました。今は町役場で働いています。私もまだまだ知らない魅力たっぷりの町なので、みなさんもぜひ新温泉町に来て魅力を見つけてほしいです。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

24時間開放の源泉で、野菜を湯がき、コーヒーを淹れ、スイーツ作りも。
約1200年の歴史を持つ名湯で受け継がれる「湯がき文化」を体感。

 

兵庫県の北西部にある湯村温泉は、98度という日本一熱い源泉が湧出しています。しかも半径400mほどの小さな温泉地に、63もの源泉があります。
約1200年前に開湯した歴史ある名湯でもあり、その魅力はもちろん“湯”。
でも湯に浸かるだけじゃないんです! 地元民に綿々と受け継がれてきた湯村温泉の“湯”の文化をレポートします。

 

 

湯村温泉はとても小さな温泉街ですが、その魅力を知るためには、ガイドと巡る散策ツアーがおすすめと聞き、私も参加しました。湯村温泉がある新温泉町に住んでいますが、ツアーに参加するのは初めてなんです。

 

 

今回ガイドしてくださったのは、湯村温泉観光協会会長で、山陰海岸ジオパーク公認ガイドでもある朝野泰昌さん。なぜ「山陰海岸ジオパーク公認ガイド」なのかと言うと、湯村温泉は、ユネスコ世界ジオパークの「山陰海岸ジオパーク」に含まれているからです。
温泉町の中心にある元湯は「荒湯(あらゆ)」と呼ばれ、98度の高温泉が毎分470リットルも湧出しているため、いつももうもうと湯けむりが上がっています。

 

 

「湯村温泉は平安時代に慈覚大師によって発見されたのですが、およそ1200年から自噴している温泉です。しかも照来(てらぎ)断層と湯村断層の割れ目に沿って、地下450kmという深さから吹き出ているので、強い圧力がかかることが高温の理由です。地中で加圧され、ミネラル分がしっかり浸透した温泉水が自然に湧き出ている。つまり人工ではなく、“本物”の温泉なんです。」。
温泉は大好きでよく行きますが、湧き出し方の違いなんて考えたことがなかったと思いながら話を聞いていると、朝野さんが立ち止まったのは民家の軒先。

 

 

「蛇口が2つあるでしょ。片方は水、もう一方は温泉が出ます。
湯村温泉の敷地面積は東京ディズニーランドやUSJぐらいですが、そこに63もの源泉があって、それらの湧出量を足すと毎分2100ℓ。
63の源泉の内、50は民家にあるので、my源泉のある家があちこちにあるんです。my源泉を持つ家は湯沸かし器不要。源泉を持たない家でも、蛇口を捻れば温泉が出ます。そして、お風呂も洗濯も洗車も雪を融かすのも温泉を使う。なぜなら、湯村温泉は湧出量が豊富で水道水より温泉が安いから。1t分の料金が水道水230円、温泉160円なんです」。
お風呂はいつも温泉で、洗顔や洗髪も温泉だなんて羨ましい!
続く泉質の話を聞いたら、湯村温泉内に引っ越ししたくなりました(笑)

 

“ぴかぴか・ぽかぽか・ぷるぷる”になれる“美肌の湯”

 

 

 

「先ほどお話しした通り、湯村温泉はミネラル分が豊富なとても質の良い温泉です。
泉質は含有量の高い順に、ナトリウム-炭酸水素塩、塩化物、硫酸塩泉。まず、ナトリウム-炭酸水素塩は重曹泉のことで、毛穴や角質の汚れを乳化して洗浄し、肌の表面を柔らかく、白くする効果もあります。塩化物の効能は、塩のベールで体を包み込むのでぽかぽかに。硫酸塩泉は、角質層の水分を保つ高い保水効果があります。新陳代謝を促すメタケイ酸の含有量も高い。
簡単に言うと、“ぴかぴか・ぽかぽか・ぷるぷる”になれる、とっておきの“美肌の湯”です」。
くすみが取れて、しっとり潤い肌になれるってこと!
温泉水をスプレーボトルに入れて持ち帰る人がいるのも納得です。

 

 

「頭皮マッサージをしながらシャンプーをしてくれる「温泉洗髪」も評判がいいんですよ。温泉を使うから、毛穴の汚れが取れて頭皮も柔らかくなって、毛根の下の毛細血管の血流も良くなりますので、育毛剤なんかの成分も浸透しやすくなるそうで男性にも人気です。すごく気持ちいいですよ」。

 

 

 

「温泉洗髪」ののぼりがあるヘアサロン5軒と理髪店4軒で受けられて、料金は1,000円前後。

 

 

24時間365日開放で、誰でも利用できる荒湯

 

散策ツアーのメインは、温泉町の中心地、「荒湯」での「湯がき文化」体験です。
「荒湯は全国的にも珍しく24時間365日開放されていて、地元民だけじゃなく誰でも利用できるようになっています。足湯の他に、湯つぼがいくつもあって、地元の人はここに毎日、卵や野菜や豆を湯がきに来ます。春は筍を湯がく人が多いですね。朝に浸けておくと、夕食にはあくが抜けて柔らかく美味しい筍が食べられます。秋になると渋柿を浸けておくと甘い柿になるんです。冬になると、湯つぼに浸けて飲み物を温め、湯たんぽに温泉を入れます。
日々の暮らしに温泉がある町なので、“湯がき文化”が綿々と受け継がれているんです」。

 

 

 

散策ツアーの間もたくさんの人が、筍や山菜、卵など色んなものを湯がいています。
周辺の売店で、卵やとうもろこし、さつまいもなどが販売されているので、観光客も気軽に“湯がき文化”を体験できます。

 

 

「湯村温泉は飲めるのも特長です。
コップ一杯分に、有名な胃腸薬と同程度の胃の粘膜保護成分のメタケイ酸が含まれています」。
荒湯の慈覚大師像の下に、飲用できる温泉があります。98度なので、そのまま注ぐだけでお茶やコーヒーが淹れられます。

 

 

近くのお店でコーヒーのドリップパックなども販売されているので、美味しいコーヒーを飲みながら足湯でのんびりするのも素敵な時間の過ごし方ですよね。

 

 

「湯村温泉は、兵庫の三大温泉地の一つですが、城崎や有馬とは全く違う。“ハレとケ”で言う“ケ”、つまり日常の温泉です。
「湯がき文化」をはじめ、温泉と共に生きている我々の暮らしを垣間見てもらう。そして、味わって、体感してもらえる。他の温泉地ではできない経験ができる、それが魅力だと思います」。
温泉を利用したSDGEsな暮らし方など、興味深い話がまだまだ続くのですが、残りはぜひ散策ツアーに参加して、現地で聞いてください! 
湯村温泉には現在、山陰海岸ジオパーク公認ガイドが26人おられます。
宿や旅行会社などで散策ツアーを実施していない場合は、湯村温泉観光協会でガイド付き散策ツアー(有料)を申し込めますよ。

 

練乳が生キャラメルに! 観光客も気軽に体験できる“湯がき文化”

 

 

散策ツアーの後、私も「湯がき文化」を体験してみることに。
まずは、「ヤマザキショップ カドミセ」の「玉子サンド作り体験」1人500円。
必要な材料や道具、作り方ガイドなどがすべてセットになっています。

 

 

 

荒湯に浸けてゆで卵を作り、ビニール袋に入れてもみもみ。塩とマヨネーズを入れ、軽く揉んだら、ビニールの端を切り、サンドイッチ用のパンに絞り込んで出来上がり!
1人前がゆで卵3個なので、たまごたっぷりで贅沢な玉子サンド。

 

 

源泉で茹でた卵は白身が柔らかくて、黄身の色と旨味が濃くて、すっごく美味しい!
その場で食べても、持ち帰ってもOK。
「玉子サンド作り体験」は週末を中心に実施されていて、実施日であれば前日までの予約で誰でも参加できます。
「ヤマザキショップ カドミセ」は荒湯の近くにあるコンビニで、地元の特産品やお土産なども揃っています。「荒湯玉子漬けだれ」500円の購入者にジップロックのサービスがあるので、「荒湯あじたま作り」も人気。そのままお土産にしたり、漬けたまま持ち帰って自宅で湯村温泉をもう一度味わうのもオススメです。

 

 

荒湯で色々なものを湯がきますが、一番びっくりしたのが、練乳を荒湯で浸けておくと生キャラメルになるという話。生キャラメルって、焦げ付きやすくて作るのにかなり手間のかかるものですが、湯村温泉なら容器ごと6時間ほど浸けておくだけ。めちゃくちゃ簡単です。
写真は、荒湯生キャラメルがたっぷりかかった「Cafe 98℃」のシフォンケーキ500円。

 

 

「Cafe 98℃」は、荒湯に隣接するビルの2階にあるカフェで、店内から温泉街が見渡せます。地元食材を使ったメニューが自慢で、但馬牛のローストビーフランチなど、ランチメニューもあります。

 

 

橋のたもとにある炭火串焼きとクレープのお店「ひよっこ屋」では、荒湯生キャラメルを使ったクレープを販売。

 

 

 

写真は、荒湯生キャラメルクレープのいちご500円。大きくて生クリームもたっぷりでボリューム満点です!
荒湯生キャラメルとチーズのクレープも美味しくて、軽めのランチにぴったり。ワインに合うと思いますよ。
実は、「荒湯生キャラメル」の考案者は、ガイドをしてくださった朝野さんなんです。湯村温泉では新しい名物にしようと、「荒湯生キャラメル」を使ったメニューや商品が次々に登場しています。

 

 

 

荒湯の足湯がある遊歩道では、温泉熱を活用して、「温熱リラックス」というヨガを取り入れたイベントも行われるそうです。地熱でぽかぽかしている地面にマットを敷き、湯けむりに包まれながらのヨガって癒し効果抜群な気がします。

遊歩道での次回イベントは未定とのことですが、公衆浴場「薬師湯」内では毎週金曜と土曜に「温熱リラックス」の体験レッスンが受けられるそうです。

 

湯村温泉って小ぢんまりしていて、正直、地味なイメージですが、ひと味違った深い魅力があります。地元なのに意外と知らない事が多くて、友人にもどんどんPRしたくなりました。

次に訪れる際は、湯がく野菜、練乳、温泉を持ち帰る容器と、色んなものを準備して、もっと“温泉”を味わいたいと思います(笑)

 

 

DATA
◇ 湯村温泉観光協会
兵庫県美方郡新温泉町湯98
Tel:0796-92-2000
http://www.yumura.gr.jp/
温熱リラックス:
https://onnetsu-relax.wixsite.com/info

 

◇ ヤマザキショップ カドミセ
兵庫県美方郡新温泉町湯1233-1
Tel:0796-92-0062
営業時間:月曜~土曜7:00~20:00、日曜・祝日7:00~19:00
定休日:第1・3水曜(変更あり)
https://convenience-store-678.business.site/
https://www.instagram.com/ysp.kadomise

 

◇ Cafe 98℃
兵庫県美方郡新温泉町湯1260
Tel:0796-99-2626
営業時間:10:00~17:00(LO16:30)
定休日:水曜・木曜(祝日の場合は営業)
https://www.cafe98degrees.com/
https://twitter.com/cafe_98degrees

 

◇ ひよっ子屋
兵庫県美方郡新温泉町湯99-3
Tel:080-5365-0945
営業時間:12:00~18:00
定休日:不定休
https://twitter.com/hiyokkotencho
https://www.instagram.com/hiyokkoya/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

 

 

【HYOGO!ナビ WEBサイト 関連ページ】
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掲載日:令和4年5月27日    グルメ

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