ムスリムでも居酒屋を楽しめる?
姫路市の「居酒屋ごん太」で、その答えに出会った
ムスリムでも居酒屋を楽しめる?
姫路市の「居酒屋ごん太」で、その答えに出会った
居酒屋といえば、お酒と料理を楽しむ場所というイメージが強く、日本人の日常に深く根付いた食文化のひとつです。旅をする中で、私は観光地だけでなく、日本の人々が普段どのように過ごしているのかを体験したいと常に思っています。その中でも、居酒屋で食事をし、時間を過ごすことは、ぜひ体験したい日本文化のひとつでした。
しかし、ムスリム旅行者にとって「ハラール対応の居酒屋」を見つけることは、長い間ほとんど不可能に感じられてきました。
姫路を訪れた際、私はムスリムとして安心して食事ができ、なおかつ本物の居酒屋文化を体験できる場所を探していました。そこで出会ったのが、姫路城から徒歩圏内にある老舗の地元店、居酒屋ごん太です。

店内に一歩足を踏み入れた瞬間、ここは単に「ハラール料理を提供している店」ではなく、食の多様性を本当の意味で理解し、尊重しているお店だと感じました。
地元に愛され続ける、温かみのある居酒屋空間
居酒屋ごん太は、長年にわたり地元の人々に愛されてきたお店で、その歴史は店内の雰囲気からも伝わってきます。気取らず、入りやすい空間には、日本の居酒屋らしい活気と落ち着きが同居しています。


「本物の日本食」を楽しめるハラール対応メニュー
今回の訪問で特に印象に残ったのは、居酒屋という空間でハラール対応和牛料理を楽しめたことです。
こうした体験は、日本では、特に大都市以外ではまだ非常に貴重です。日本の食文化をより身近に感じられる貴重な機会となりました。

ごん太のハラール和牛ラーメンは、強く心に残る一杯でした。丼には上質なハラール認証和牛が贅沢に盛られ、ひと口目からスープの奥深い旨味が広がります。濃厚でありながらも意外なほどバランスが良く、満足感がありつつも食べ進めやすい味わいです。
和牛のスライスはやわらかく、口の中でやさしくほどけるような食感。自然な甘みと重なり合う風味が心地よく余韻を残します。その上品な質感が、ラーメンという親しみやすい料理に洗練された印象を添えています。
スープはコクがありながらも後味はすっきりとしており、最後の一口まで重たさを感じることなく楽しむことができました。居酒屋という枠を超えた完成度で、ラーメン好きの方にも十分に満足いただける一杯だと感じました。
そして何より印象的だったのは、安心して食事を楽しめたことです。丁寧に調理されたハラール和牛を味わいながら、食材への不安を感じることなく、日本の定番料理を堪能できました。ハラールメニューが特別扱いされるのではなく、お店の通常メニューの一部として自然に提供されている点も、心遣いと歓迎の姿勢を感じさせてくれます。
居酒屋ごん太ではハラール対応だけでなく、ヴィーガンやベジタリアン向けのメニューも用意されています。異なる食のニーズを持つ方が一緒に食事を楽しめる点も、このお店の大きな魅力です。
今回はヴィーガン焼きうどんもいただき、想像以上に満足感のある一品でした。もちもちとした太めのうどんに、重すぎない味付けのソースが全体にしっかり絡みます。シャキシャキとした食感の野菜がたっぷりと使われ、彩りと食感のバランスも良く、仕上げに振りかけられた海苔がほのかな旨味のアクセントを添えていました。植物性でありながら、日本らしい味わいをしっかりと感じられる一皿です。

心に残る、思いやりのあるおもてなし
今回の訪問で最も印象に残ったのは、スタッフの皆さんの丁寧で親身な対応でした。ハラール対応について質問すると、どの料理が食べられるのか、どの食材を使用しているのか、そしてどのように調理しているのかを、分かりやすく説明してくださいました。
料理が提供される前から、食事への配慮を大切にしていることが伝わり、安心して食事を楽しむことができました。多くの外国人観光客が居酒屋ごん太に訪れている理由は、料理のおいしさだけでなく、さまざまな食のニーズを持つ方々を自然に受け入れる、その誠実な姿勢にあるのだと感じました。
姫路城観光のあとの一軒として
姫路城をじっくり見学した後、居酒屋ごん太での食事は、一日の締めくくりにぴったりの時間でした。地元の味を楽しみながら、リラックスして過ごせる、包容力のある空間です。
姫路を訪れ、地元の居酒屋でハラール対応の日本料理を楽しみたいと考えている方には、居酒屋ごん太を自信をもっておすすめします。
ここは、伝統的な日本の食文化と食の多様性が、自然に、丁寧に、そして美味しく共存していることを実感できる一軒です。
・居酒屋ごん太について
住所: 〒670-0904 兵庫県姫路市塩町193
営業時間: 17:00-24:00(定休日:日曜日)
電話番号: 079-282-0606
公式サイト: https://izakayagonta.gorp.jp/
- 掲載日
- 2026.03.05
- 最終更新日
- 2026.03.06
インドネシア・北スマトラ大学/大学院卒。ニトリ系子会社を経て2015年来日、フードダイバーシティ(株)入社。
英語メディアFoodDiversity.Today編集・SNS『ハラールメディアジャパン』担当。ムスリム視点で日本のハラールと観光情報を発信。
日本語能力試験 (JLPT) N1保持、広報アカデミー在籍。2019年度さいたま市スポーツ推進委員、2025年度埼玉県広報アンバサダーとしても地域活動に参画。



















