「伊丹諸白」と「灘の生一本」
-下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷-

江戸時代、伊丹・西宮・灘の酒造家たちは、優れた技術、良質な米と水、酒輸送専用の樽廻船によって、「下くだり酒」と称賛された上質の酒を江戸へ届け、清酒のスタンダードを築きました。酒造家たちの技術革新への情熱は、伝統ある酒蔵としての矜持と進取の気風を生み、「阪神間」の文化を育みました。六甲山の風土と人に恵まれたこの地では、水を守り米を育てる人々、祭りに集う人々、酒の香漂う酒造地帯を訪れ、蔵開きを楽しむ人々が共にあり、400 年の伝統と革新の清酒が造られています。


開催時期:通年 

開催場所:伊丹市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市 

「伊丹諸白」と「灘の生一本」-下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷-

日本遺産ストーリー~Japan Heritage Story~

清酒発祥の地「伊丹」と伊丹諸白

江戸時代、江戸の人々が好んだ関西・上方からの諸産物「下り物」の中でも、酒は下り酒と呼ばれ歓迎されていました。特に伊丹の酒は麹米・掛米両方に精白米を使った澄み酒であったため、「伊丹諸白」と呼ばれて珍重され、江戸で人気を博しました。
わが国最古の酒蔵・商家が残る重点景観形成区域「伊丹郷町」や清酒発祥の碑などの文化財を訪れ、下り酒の名産地「江戸積酒蔵・伊丹」として名を馳せた清酒発祥の地・伊丹を体感することができます。

灘五郷と灘の生一本

六甲山からの伏流水を汲み上げた「宮水」によって、上質な清酒を作る酒蔵が、西宮市の今津郷・西宮郷、神戸市東灘区の魚崎郷・御影郷、灘区の西郷にかけてつくられました。この地区を現在では灘五郷と呼び、その酒は「灘の生一本」として知られています。
芦屋川などの急流を利用した水車による高い精白度の精米や、丹波杜氏と呼ばれる酒造りの職人による酒造方法の確立、酒を樽廻船で江戸へ運ぶのに適した菰樽の開発など、酒づくりの技術や道具を磨き、現代の清酒に繋がる酒造りのスタンダードを築きました。
現在でも、新酒の仕込みが始まる10月には宮水まつりとして宮水の発見された「梅の木井戸」の故地に立つ「宮水発祥之地碑」の前で神事を行い、その後西宮神社にて酒醸造祈願祭が行われます。また、今日華やかな鏡開きに欠かせない菰樽づくりは、尼崎市内企業がその作成技術を継承しています。

酒造家が育んだ文化

江戸積み酒造がもたらした富を、酒造家たちは芸術や文化、教育、建築に注ぎました。フランク・ロイド・ライトの設計の「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」は近代建築の代表として知られ、白鶴美術館を始め、酒造家のコレクションを展示する美術館や酒蔵を利用した博物館など、20のミュージアムで地域文化興隆への思いに触れることができます。

日本遺産周辺みどころスポット~Pickup Point~

日本遺産に認定された各市町にはストーリーの構成文化財をはじめ、歴史と文化を感じる様々なスポットがあります。
是非お気に入りのスポットを見つけて足を運んでください。

日本遺産構成文化財

旧岡田家住宅と旧石橋家住宅
年代が判明し現存するものでは日本最古となる酒蔵を有する江戸時代初期の町家「旧岡田家住宅・酒蔵」と、江戸時代後期の町家で県指定文化財の「旧石橋家住宅」。新町家を含む伊丹郷町館として、みやのまえ文化の郷内にあります。
旧岡田家住宅と旧石橋家住宅
西宮神社と社内の嘉永橋・瑞寶橋
福の神「えびすさま」の総本社として知られる神社。創建時期は平安時代以前と伝えられ、正月・十日えびすには商売繁盛・家内安全を願う150万人の参拝者で賑わいます。1月10日に行なわれる福男選びも有名です。境内神池には酒造家ゆかりの嘉永橋・瑞寶橋2つの石橋がかかります。
西宮神社と社内の嘉永橋・瑞寶橋
宮水発祥の地と宮水庭園宅
江戸後期から日本酒つくりに適していることで知られる宮水の井戸を整備した庭園が宮水庭園。中へ入ることはできませんが、外から見学することができます。近くには「宮水発祥之地碑」が立っています。
宮水発祥の地と宮水庭園宅
今津灯台
下り酒が積みだされた今津港に建つ常夜灯です。文化7年(1810年)に航海安全を祈って建立、安政5年(1858年)に再建されました。現役最古の木造航路標識です。
今津灯台

観光スポット

小西酒造「長寿蔵」(白雪ブルワリービレッジ長寿蔵)
清酒発祥の地、伊丹で天文19年(1550年)に創業した小西酒造。江戸に酒樽を運ぶ途中、雪をいただいた富士山の気高さに感動して「白雪」と名付けました。白雪ブルワリービレッジ長寿蔵レストランでは、出来立てのクラフトビールやお料理を味わうことができ、2階は酒造りが学べるミュージアムも併設しています。
小西酒造「長寿蔵」(白雪ブルワリービレッジ長寿蔵)
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
大正期、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門の別邸として設計された建物。幾何学的な彫刻を施した大谷石や、マホガニーの複雑な木組み装飾、植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、自然と融和するライトの建築思想を随所から感じられます。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
白鶴美術館
「世界的価値のあるコレクションを私蔵するのではなく、ひとりでも多くの方の目に触れてほしい」という願いを持った嘉納治兵衛(鶴翁・白鶴酒造7代)によって昭和9年(1934年)に開館された白鶴美術館。戦争と空襲、戦後の混乱、大震災など幾多の苦難を乗り越えながら、価値ある古美術品を現在に残しています。※展示室内は撮影禁止
白鶴美術館
菊正宗酒造記念館「樽酒マイスターファクトリー」
「酒造りの原点を知ること」をテーマに、酒造りの過程から用具類に至るまでの知識や現物とのふれあい、灘の酒を醸す技・水・米・風土、酒造りの情熱や伝統にまつわるこだわり、また日本酒をめぐる新しい楽しみ方や文化の姿…など、現在・過去・未来を自在に駆けめぐる日本酒の世界を展開しています。
菊正宗酒造記念館「樽酒マイスターファクトリー」

体験・学び

甲子園歴史館
平成22年(2010年)3月に、全面的にリニューアルした甲子園球場の外野スタンド下にオープンしました。95年以上にわたる球場の歴史と、球場を舞台として数々のドラマを生んできた春・夏の高校野球、阪神タイガースの歴史を展示しています。
甲子園歴史館
白鶴酒造資料館
大正初期に建造され、昭和44年(1969年)3月まで本店壱号蔵として稼動していた古い酒蔵を改造して酒造資料館として活用。酒造りの工程をはじめ、当時の蔵人の生活までも知ることができます。利き酒コーナーもぜひ。
白鶴酒造資料館
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)

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  • 旧岡田家住宅と旧石橋家住宅
  • 西宮神社と社内の嘉永橋・瑞寶橋
  • 宮水発祥の地と宮水庭園宅
  • 今津灯台
  • 小西酒造「長寿蔵」(白雪ブルワリービレッジ長寿蔵)
  • ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
  • 白鶴美術館
  • 菊正宗酒造記念館「樽酒マイスターファクトリー」
  • 甲子園歴史館
  • 白鶴酒造資料館
  • 白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)

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是非お気に入りのスポットを見つけて足を運んでください。

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