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石が水に浮かんでいるように見える!人知を超えたミステリー!!「日本三奇」の一つ 奇跡の石造物「石の宝殿」-兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
ゆりテロワール研究員
女性
30代
兵庫県高砂市
登山、旅行
高砂市役所で移住定住・観光の業務を担当しています。
高砂市は小さな市ですが、様々な魅力がぎゅっと詰まっています!
昔ながらの町並みが残る高砂町には、古民家を改装した個性豊かなカフェがたくさん。お気に入りのお店を探しに、ぜひ遊びに来てください。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

いつ、誰が、何のために造ったのか。未だ謎に包まれたままの巨大な石造物
強力なパワースポットとしても人気の高砂市「石の宝殿」

 

「日本三奇」の一つ、つまり日本三大ミステリーの一つとされる不思議な建造物が、兵庫県高砂市にあります。
6m四方もある巨大な石が、水盤に浮いているように見える『石の宝殿』で、科学が発達した今もまだ「いつ、誰が、何のために、どうやって造ったものなのか」がわからないという、摩訶不思議な石造物なのです。
見てみたくなりませんか?

 

 

「日本三奇」の一つ、『石の宝殿』があるのは、JR山陽本線宝殿(ほうでん)駅から徒歩25分ほどの場所にある『生石(おうしこ)神社』です。『石の宝殿』は神社のご神体として祀られています。

 

 

生石神社の急階段の参道を上りきると、真ん中に通路がある珍しい造りの本殿が現れます。
その先に鎮座している巨大な石造物が、「石の宝殿」です。
宮司の東幸代さんに案内して頂きました。

 

 

《東さん談》『横約6.5m、高さ約5.6m、奥行約7.5m、推定重量は約500tです。巨大な石ではなくて、人の手が加えられ、周囲の岩盤から切り出された“建造物”なんですよ。
石の下の部分が深く削り込んであって、水を溜めた中に浮いているように見えるので「浮石」とも呼ばれています』。

 

確かに石の下をのぞき込むと、削って掘り込まれていることが見て取れます。

 

 

 

《東さん談》『切り離す直前の状態でそのまま残ってるんですよ。的確な場所を打てば、ゴロンと転がるようになっていると考えられています。石を見ると3つの色が層になっているんですが、これは火山の噴火による熱の影響で、青、黄、赤色と色が変化したものだそうです』。

 

 

「石の宝殿」の周りはぐるっと一周できるようになってます。
空間が狭いこともあって、ものすごい威圧感。
石の裏側に回ると、三角形の突起が現れるのですが、この三角形の左側が、ご神体に近い最も強力なパワースポットだといわれます。電気のようなものを感じるとか、温かい感じがするといった人が結構いるそうですよ。
私もここを訪れるといつも、パワーというオーラというか、何だか不思議な力を感じます。

 

 

《東さん談》『大穴牟遅(おおあなむち)と少毘古那(すくなひこな)の二神様が、国土平定のために出雲からやってきて、この地で国を守るための宮殿造りに取りかかり、一晩で今の形まで造り上げたそうです。
ところが播磨の神様の反乱が起こり、それを鎮圧している間に夜明けとなり、宮殿は横倒しのままになってしまった。これが、神社に残る言い伝えです』。

 

この社伝も含め、石の宝殿の云われは、30説以上もあるのだとか。

 

 

730年頃編纂された日本最古の地誌『播磨国風土記』に、石の宝殿を指すと推察される「聖徳太子の時代に物部守屋によって造られた石」という一節が記されています。
聖徳太子の没年は622年。
つまり1400年以上も前からこの石はここに鎮座しているのです。

 

 

《東さん談》『死者を入れる石棺だとか、石棺を納める石槨だといった説もあったんです。でも、2008年に地中レーザーと超音波を使った調査が行われた際、空洞はないことが判明したので、それらの説は無くなりました』。

 

横倒しの宮殿なのか、古墳なのか。そもそも、完成したものなのか、未完成なのか。実態は謎のまま。
調べるほど謎が深まるのだそうです。

 

 

 

石の宝殿の横に、社殿の裏山にある「山上公園」へと続く登り口があるので、ぜひ登ってみてください。

 

 

上から、石乃宝殿の全体像を見ると、岩盤を四方から切り出していることがよくわかります。断崖に囲まれた空間に鎮座する巨大な岩。かなり迫力ある景色ですよ。

 

 

裏山は「宝殿山」というのですが、時間があればそのまま山頂にある「山上公園」まで登って、高砂市街を一望するのもおすすめ。崖のようになっていて、周辺の石切り場が見渡せます。急な登りですが、登山口から5分ほどなので、軽い散歩にぴったりですよ。
ただ、岩の斜面が階段状になっている登山道で、急な石段です。特に下りは、足がすくみそうなほど急で滑りやすいので、滑りにくい靴が必須です。

 

 

最後に、本殿向かって右側にある「霊岩」に触れるのを忘れずに。
「霊岩」は石の宝殿の分岩で、立札に「全身の力を込めて押すと神様が力を御授けくださる」とあり、パワースポットとして人気。
全力で石を押して、パワーをもらって帰りましょう!

 

 

 

1700年もの歴史を持つ「竜山石」
断崖に囲まれた迫力の採石場を見学

 

「石の宝殿」は、宝殿山の岩盤を掘り出して造られているのですが、その岩盤は「竜山石(たつやまいし)」と呼ばれ、実は石そのものにもすごい歴史があるんです。
「石の宝殿」から歩いて10分ほどの場所に、見学できる竜山石の採掘現場があるのでご紹介します。

 

 

150年に渡って竜山石の採掘・加工を手掛けている「松下石材店」さんの採掘現場です。
切り立った断崖に囲まれた迫力ある空間を、代表の松下尚平さんが案内して下さいました。

 

 

《松下さん談》『竜山石は、大昔から特別な石なんです。1億年前に火山の噴火でできたカルデラ湖で育まれ、一つの山から淡青色、淡黄色、淡赤色と、3色の色が採れます。
古墳時代には大王の棺に使われ、現代でも、例えば姫路城の石垣や皇居吹上御苑、国会議事堂など、たくさんの有名な建築物に使われています』。

 

高砂市の山中には150カ所を超える古い採石場遺構があり、調査によると、約1700年前から採石が行われていたと推定されるのだとか。

 

 

《松下さん談》『1700年以上もの長い間、同じ場所から採石され続けている石材は、日本で竜山石だけなんですよ。高砂にこういう場所があることを知ってもらい、竜山石に実際に触れて体感してもらいたくて、見学ツアーを始めました。ジャズコンサートも開催したんですが音の反響が良くて好評でした』。

 

 

「松下石材店」では、竜山石を使った厄除けのお守りやアクセサリーも製造販売しています。
パワーストーンとして評判で、中でも山の表面にある淡赤色の「赤竜山石」は数が少なく希少なため人気が高いそう。
すべて手作りの一点もので、ネックレス8,000円~、ピアス3,000円~。オンラインショップの他、生石神社内の「浮石資料館」(土日祝の10時~15時のみ営業)、まちの観光会館「結びん」で購入できます。

 

神秘的で不思議な「竜山石」をめぐる旅は、いかがですか。

 

 

DATA:
◇ 生石神社/石乃宝殿

兵庫県高砂市阿弥陀町生石171
tel:0794-47-1006
拝観料:100円
http://www.ishinohouden.jp/

 

◇ 松下石材店
採掘場工場:兵庫県高砂市阿弥陀町魚橋地蔵山654
tel:079-432-3527
【採掘場見学】1人500円(2名以上で要予約) 所要時間30分程度。
※作業状況により見学不可の日もあります
営業時間:8:00~17:00
土日祝休み
https://www.tatsuyamaishi.com/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

【兵庫テロワール旅 関連情報】

兵庫ならではのテロワールを体験できる“おすすめツアー”をご紹介

海ホタル鑑賞会と夏のカキをメインにした西播磨なぎさ会席(宿泊プラン)

 

 

瀬戸内の多島美と海の幸をまとめて体感できるプラン。姫路城を訪れる観光客(主にシニア層)をターゲットに、瀬戸内沿岸部の魅力である「絶景風呂」と「夏が旬!瀬戸内産の岩ガキ」(粒が大きくぷりぷりで味が濃厚)を自然のままレモンを添えてお召し上がりいただきます。金曜日お泊まりの方には、宿泊者限定!海ホタルの鑑賞会を実施します。

 

詳しくはこちら:https://www.hyogo-tourism.jp/terroir/experience/37/

 

【HYOGO!ナビ WEBサイト 関連ページ】

高砂市のスポット情報はこちら

 

掲載日:令和5年8月10日

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