◇「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。
全国でも稀な完存する山城遺跡の「竹田城跡」。
雲海に包まれる幻想的な姿から“天空の城”とも呼ばれ、全国的に大人気の観光スポット。地元出身の私にとっては、子供のころから何度も登った場所です。
登城ルートがいくつかあるのですが、今回は、初めて竹田城跡を訪れる人におすすめのコースをご紹介します。
最初に、竹田城跡について少し紹介しておきます。
竹田城は、標高353.7メートルの古城山山頂に築かれた山城です。虎が臥せているように見えることから「虎臥城(とらふすじょう)」とも呼ばれています。
室町時代に但馬守護・山名宗全の命で築城が始まったとされ、1600年に廃城となりました。かつての姿がそのまま残る山城遺跡としては、全国で屈指の規模を誇っています。
初めて訪れる人におすすめのルート
竹田城跡観光の入口は、「山城の郷」です。
播但連絡道路・北近畿豊岡自動車道の和田山ICから車で約10分の距離にあり、竹田城跡観光の入口となる観光施設。広々としたレストランや売店などがあります。
「山城の郷」より先に一般車は入ることができないので、マイカーはここに駐車して、天空バス・タクシー・徒歩のいずれかで「竹田城跡」へ向かいます。
※天空バスの時刻表は、全但バス公式HPでご確認ください。
⇒ https://www.zentanbus.co.jp/local_bus-2-2-2/tenkubus/
竹田城跡へは電車でも行けます。最寄りのJR竹田駅からも「竹田城跡」への3つのハイキングルートがあり、徒歩40~60分程度です。ただ、かなり上級者向けの登山道になりますので、車でのアクセスがおすすめです。
今回はマイカー利用でのルートをご紹介します。
【マイカーでのアクセスルート】
播但連絡道路・北近畿豊岡自動車道の和田山IC
▼(所要時間約10分)
「山城の郷」駐車場に自家用車を駐車 ※飲み物などを購入
▼
「天空バス」に乗車 運賃大人160円
※バスに乗らず歩くことも可能。「竹田城跡入口」まで徒歩約40~50分
▼(所要時間約10分)
「中腹バス停」で下車し、徒歩で登山開始
▼(所要時間約20分)
「竹田城跡入り口」到着 観覧料大人500円
▼
「竹田城跡」見学
▼
下山は徒歩
▼(所要時間約20分)
「山城の郷」
どんな感じのルートか、実際に登ってみます!
拠点となるのは「山城の郷」です。
売店があり、飲み物や軽食が購入できます。水分補給のための飲み物は必須です。
「竹田城跡入口」前の駐車場にトイレと自販機はありますが、観光シーズン中は混みあうので、ここで済ませておくのが良いと思います。
「山城の郷」正面玄関で「天空バス」に乗車します。
1時間に1本程度の運行なので、必ず事前に時刻表をチェックしましょう。
バス乗車後、約10分で、「竹田城跡入口」前の「中腹バス停」に到着します。
バスに乗らず徒歩で竹田城跡に登ることもできます。その場合は、「山城の郷」から「竹田城跡入口」まで40~50分程度。距離は1.5kmほどですが、緩やかな登り坂が続くので少々体力が必要です。
入口で観覧料(大人500円、中学生以下無料)を払い、登山開始です。
「竹田城跡」内にはトイレがないため、必ずここで済ませておきましょう。下山ルートは登る際とは別で、収受棟がある入口に戻ってきません。
少しの登ると石垣が見えてきます。
この石垣は、最後の城主・赤松広秀が作らせたもの。
「穴太積み」という、大小さまざまな自然石をほとんど加工せずに組み合わせる技法で築かれています。400年以上経った今も崩れることなく、ほぼそのまま残っているそうなので、いかに強固な守りだったかということ。
安土桃山時代の職人さんの技術力の高さと、歴史ロマンを感じます。
竹田城跡は、天守台・本丸を中心に、東西に約100m・南北に約400mもの規模があり、“完存する石垣遺構”としては全国屈指の大きさを誇っています。
城の正面にあたる「大手門」から階段を上っていくと、山裾に広がる朝来の町が見えます。
「三の丸」と「二の丸」を通り、「本丸・天守台」へ。
撮影のベストスポットは「天守台」
“日本のマチュピチュ”と称される「竹田城跡」の風景は、「天守台」から望めます。
一番高い場所にある「天守台」に登り、南側に張り出す「南千畳」を見下ろすと、テレビや雑誌によく登場する光景が広がっています。勇壮な造形美が見渡せる、撮影のベストスポット。
これからの時期なら、紅葉に包まれる城跡もとってもキレイです。
「天守台」だけでなく、フォトジェニックなアングルが他にもたくさんあります。
秋に二の丸や三の丸から南千畳を望むと、山肌を彩る紅葉が目の前に広がります。
朝日や夕焼けなど時間帯によっても表情が変わるので、ゆっくり散策して、色んな角度からお城の写真を撮影してみるのも楽しいです。
お弁当やおやつを食べるなら「北千畳」へ。
眺望を楽しみながら、ゆっくり休憩できますよ。
下山も、「中腹バス停」まで戻ってバスに乗ることもできますが、下りは上りよりも歩きやすいため、徒歩がおすすめ。出口から「山城の郷」まで約20分です。
雲海と出合える確率が高いのは
9月下旬~11月下旬の明け方~8時頃
竹田城跡といえば、「雲海」が有名です。
霧に囲まれ雲海に浮かぶような姿から“天空の城”と呼ばれるようになり、その幻想的な光景は本当に息をのむほどの美しさです。
ただ、「雲海」が目当ての場合は、時期と時間帯が限定されています。
雲海のシーズンは9月下旬~11月下旬で、時間帯は明け方~8時頃。
「竹田城跡」は1月4日~2月末までは閉山しているので、9月下旬~11月末の日の出までに登るのがベスト。その場合、電車や天空バスは使えないため、マイカー+徒歩になります。
マイカーの利用が難しい人や、そんなに早く行けない場合でも、濃霧が発生していて風が弱い日なら、朝8時頃まで雲海に出合える可能性があるかもしれません。
上の写真のような雲海に浮かぶ竹田城跡を見るには、竹田城跡から円山川を挟んだ反対側の立雲峡(りつうんきょう)が展望スポットとなります。“天空の城”の姿を撮影するならこちらがおすすめです。
雲海が見られるのは、時期や時間帯だけでなく、晴れていて風が弱いなど、さまざまな条件が一致したタイミング。自分で予想するのは難しいので、雲海のシーズン限定で、朝来市ポータルサイトの「あさぶら」が更新している「勝手に雲海予報」をチェックするのが便利です。
https://www.asabura.jp/unkaiforecast
「山城の郷」の交流の館には、竹田城跡をバックに雲海に乗ったようなトリックアートのフォトスポットがあります。ぜひ記念撮影を♪
山城の郷ではお土産も購入することができます。
山城の郷で人気No.1の「竹田城跡合わせ焼き」が、私の一番のおすすめです。
また今年の夏、山城の郷には、テイクアウトコーナーができました。ここでしか食べられない山城の郷限定メニューがたくさん楽しめます。
中でも人気なのが「オリジナルシェイク」です。今回は「特製バナナ&チョコシェイク」550円と「特製抹茶&朝来みどり茶シェイク」500円を注文しました。パッケージもかわいいです。
特製抹茶&朝来みどり茶シェイクは、朝来で作られているお茶の葉が使われていて、香りもよく味も濃くておいしいです。朝来みどり茶を使ったシェイクは「山城の郷」限定メニューです。
ちなみに、スタッフさん一押しは、「レモネードスカッシュ」450円で、レモンも特製だそうです。雲海シーズンは冷え込むため、レモネードはホットメニューも登場する予定だそう。
※価格はすべて税込
生野紅茶を使用したオオサンショウウオ型のクッキーが乗った「レモンソフトクリーム」もおすすめ。見た目もかわいくて、レモンのさわやかな味がとってもおいしいです。
竹田城跡を登ってお腹が減ったら、軽食メニューもあります。
私のおすすめは、「山城の郷の但馬牛ドッグ」600円。お肉もジューシーですごくおいしいです。
◇ 竹田城と城下町VR
360度VR動画や360度バーチャル・ツアーなどのコンテンツがあります。ナレーション解説もあって竹田城の全貌がわかるので、お出かけ前に予習を兼ねてチェックしてみては!
◇ 【360°VR体験】竹田城跡と城下町を臨場感のあるバーチャルリアリティで!
DATA:
◇ 山城の郷
兵庫県朝来市和田山町殿13-1
TEL:079-670-6518
営業時間:
平日~レストラン11:00~15:00(Lo.14:30)、売店10:00~16:00
土日祝~レストラン11:00~16:00(Lo.15:30)、売店10:00~17:00
※10月・11月のみ売店は9時から営業
休み:不定休
https://www.zentanbus.co.jp/yamajiro/
◇ 竹田城跡
観覧時間と料金:
春:3月1日~ 5月31日/8:00~18:00(最終登城17:30)
夏:6月1日~ 8月31日/6:00~18:00(最終登城17:30)
秋:9月1日~11月30日/4:00~17:00(最終登城16:30)
冬:12月1日~翌年1月3日/10:00~14:00(最終登城13:00)
観覧料:大人(高校生以上)500円、中学生以下は無料
竹田城跡観覧やアクセスの詳細は、朝来市観光協会WEBサイトでご確認ください。
https://asago-kanko.com/takedajyoseki
お問い合わせ:
情報館 天空の城
TEL:079-674-2120
◇ 朝来市ポータルサイトあさぶら「勝手に雲海予報」
https://www.asabura.jp/unkaiforecast
※記事中の価格はすべて税込みです。
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掲載日:令和4年9月30日 体験 グルメ