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“幻の枝豆”丹波の黒枝豆。新ブランドのデカンショ豆。丹波篠山で枝豆収穫体験!-兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
今井めぐみテロワール研究員
女性
30代
兵庫県丹波篠山市
飲むこと食べること
福岡出身で、丹波篠山へ5年前に移住しました。20年近くブライダルの仕事に携わっており、移住した頃は大阪に通勤していました。丹波篠山に住んでいても地域のことをよく知らなかったのですが、子育てをきっかけに丹波篠山の観光協会に転職し、地域に目を向けるようになりました。移住者の目線で丹波篠山の魅力を発信したいです。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

“幻の枝豆”とも呼ばれる「丹波篠山産黒大豆の枝豆」の収穫体験。
丹波篠山産黒大豆の栽培技術で誕生した茶豆の新ブランド「丹波篠山デカンショ豆」も!

 

丹波篠山市では、夏と秋に、贅沢な美味しさの枝豆の収穫体験ができます!
夏の枝豆が「丹波篠山デカンショ豆」。
秋の枝豆が「丹波篠山黒枝豆」。
それぞれの美味しさの秘密を、収穫体験と共にレポートします。

 

 

「丹波篠山黒枝豆」が熟して「丹波篠山黒大豆」に!

 

順番が前後しますが、まずは秋の枝豆「丹波篠山黒枝豆」から。
10月上旬から3週間ほどしか食べられないため、“幻の枝豆”とも呼ばれています。マンガ『美味しんぼ』などで取りあげられたことで、一気に人気が高まったそう。
「丹波篠山黒枝豆」は、8月頃に花が咲いて実を付けます。これを10月に未成熟の青さやの状態で収穫したものが「黒枝豆」。収穫せずにさらに熟したものが12月には「黒大豆」になり、これが「丹波篠山黒大豆」と呼ばれます。
つまり、黒枝豆も黒大豆も同じものなのです。

 

日本農業遺産認定の「丹波篠山産黒大豆」
300年以上守り継がれている栽培方法

 

 

実は丹波篠山黒大豆の歴史は江戸時代にまで遡り、300年以上に渡って伝統的な栽培方法が受け継がれています。その伝統的な栽培方法も含め、丹波篠山黒大豆は2021年2月、日本農業遺産に認定されました。
収穫体験を実施されている「丹波たぶち農場」の田渕泰久さんに、伝統的な栽培方法について教えてもらいました。

 

 

「最大の特徴は、畝にあります。畝と畝の間が160cm以上、高さが50cm以上あります。一般的な大豆の畝の高さは30cm以下なので、かなり高いです」。
丹波篠山は水を通しにくい粘土質の水田が多いため、溝を掘って水はけを良くし、畝を高くしてできるだけ土壌を乾燥させるなど、先人たちによって生み出された方法なのだそう。

 

 

「通気性や株の倒伏予防などのため複数回の土寄せも必要。
大粒に育てるため、栽培期間もかなり長く、とにかく手間暇がかかります。
機械を使うとキズや割れが多くなるため、根付から収穫までほぼ手作業なんですよ。
今では色んな地域で黒大豆や黒枝豆が作られていますが、栽培方法は全く違うと思います。
「丹波篠山黒枝豆」は、「丹波黒」という品種を、丹波篠山の地で栽培したものだけを指します。そして、毎年9月末に“解禁日”(例年10月上旬)が公表されて販売が始まり、収穫できるのは3週間程度だけです」。

 

 

 

また、丹波篠山では、「大きくて丸い」という共通の目標を掲げ、優良な種子の選抜や交換を代々繰り返してきました。
そうして、世界最大級の大粒な大豆「丹波篠山黒大豆」が誕生したのです。

 

 

「丹波篠山黒大豆」の枝豆は、粒が一般的な枝豆の2倍ほどもあり、味も甘みも濃くて、まさに別格の美味しさ。粒が大きいので、多くが一つのさやに豆は1個~2個。
市場にはなかなか出回らないため、収穫が解禁になると、黒大豆の枝豆を求めて市外から大勢の人がやってきます。
「丹波たぶち農場」をはじめ、収穫体験を実施しているところがいくつかあるのですが、週末は予約が困難なほどの人気ぶりです。

 

「丹波産黒大豆」の栽培技術を生かした新品種「丹波篠山デカンショ豆」

 

 

次は、夏の枝豆。「丹波篠山デカンショ豆」です。
「丹波篠山黒大豆」の伝統的な栽培技術を生かし、2020年に新たに誕生した枝豆で、こちらは茶豆の枝豆。
「丹波篠山黒大豆」を手掛ける若手農家が集まり、2018年から試験栽培と改良を繰り返して選び抜かれた品種です。黒枝豆を食べ続けているプロたちが、濃い旨味と香りの良さで選んだ茶豆風味の枝豆です。

 

 

今回「丹波たぶち農場」で、「丹波篠山デカンショ豆」の収穫体験もしました。
体験料は5株1,000円(税込)と、とってもお手軽!7月中旬~8月末まで実施されています。

 

帽子と飲み物持参が必須です。私たちは着けなかったのですが、軍手もあった方が良いかも。畑に入るので、靴も長靴がベター。
受付の後、畑に向かい、収穫の仕方を教えてもらいます。

 

 

「丹波篠山産黒大豆」と同じ土壌で栽培されているそうで、高い畝の上に青々した葉が茂っています。
ぷっくり実がふくらんだ、美味しそうな枝豆を見てテンションが上がります。

 

 

さやがふくらんでいるもの選び、根元から引っこ抜きます。娘の力でも何とか抜けました!

 

 

抜けたー!と、大喜びの娘(笑)どんどん収穫していきます。

 

 

写真はまだ3株なのですが、かなりの重量感。
1株にかなりの数の実がついています。5株で1,000円ってとってもお得(笑)

 

 

収穫した後は、さやをもぎ取っていきます。もちろん枝付きのまま持ち帰ってもOK。
選別しながらカゴに入れていきます。育っていない豆や虫が食べているような豆は避けますが、捨てずに畑の肥料になるのだとか。環境に優しいシステムですよね。
とは言え、自分で収穫したとなると俄然、愛着が湧くので、少しぐらい小さくても持って帰って食べます(笑)

 

 

持って帰ったらなるべく早く冷蔵庫に入れた方が良いと、田渕さん。
「枝豆は、収穫後すぐに冷蔵しないと旨味が低下するんです。
だから販売する「丹波篠山デカンショ豆」は、収穫後の3時間以内に保冷するのがルールになっています。収穫、さやのもぎ取り、洗浄と、我々は大急ぎで作業します(笑)」

 

収穫体験では、収穫した枝豆の一部を茹でてくれるので、その場ですぐに食べられるのも楽しみの一つ。

 

 

 

田渕さんに美味しい茹で方を教えてもらいました。
【1】豆がギリギリつかるぐらいの少な目の水に、少量の塩を入れて茹でる。
【2】デカンショ豆は約8分。黒枝豆は、収穫の日付を茹で時間の目安にする。例えば、10月10日に収穫した分は10分、20日なら20分、30日なら30分。
【3】茹で上がったらすぐに塩を振る。

 

枝豆大好きな娘は「おいしいー!」と、食べる手が止まりません(笑)
豆の味がしっかりして、爽やかな甘みがあってすごく美味しい!
味の例えで、「丹波篠山デカンショ豆」はトウモロコシ、「丹波篠山黒枝豆」は栗のような甘みと旨味だとよく言われるんですが、本当に一般的な枝豆とは別格の美味しさなんです!

 

 

「「丹波波篠山黒枝豆」は、熟すほど甘みも旨味も濃くなり、さやも豆に栄養分を取られて茶色くなっていきます。さやが茶色いほど、旨味が強いんですよ。ただ、旨味が強い分、アクも増すので、しっかり茹でる必要があるんです。
見た目が茶色くて枝豆っぽいイメージではなくなりますが、通の人は、収穫が終わる10月下旬を狙って買いに来られます。
ただ旨味も甘みもかなり濃いので、ビールと一緒に食べたい人は早めの時期での購入がおすすめです」。

 

 

 

丹波篠山市では、丹波の黒豆について学び・体験できる丹波黒豆ファームツアーも実施しています。その時期に旬を迎える豆の収穫体験ができるほか、農家の方の話を聞いたり、畑で実際に栽培や選別の体験もできます。

 

 

丹波篠山の豊かな自然と水、先人たちの知恵によって守り継がれている丹波篠山の豆。
7月中旬~8月末までは「デカンショ枝豆狩り」、10月上旬~末は「黒枝豆狩り」が楽しめます。
美味しさはもちろんですが、収穫体験を通じて、丹波篠山という地の魅力も感じてもらいたいです。

 

 

DATA:
◇ 丹波たぶち農場
兵庫県丹波篠山市口阪本158
TEL:079-593-0545(平日9:00~12:00のみ受付)、090-8650-0415(平日9:00~16:00の受付)


◎デカンショ枝豆狩り:
期間:7月中旬~8月中旬の週末のみ
料金 :5株1,000円
持ち物 :長靴・軍手・帽子


◎黒枝豆狩り:
期間:10月上旬(解禁日)~10月末
料金:黒枝豆 1本600円
持ち物:長靴、汚れてもよい服、軍手、マイバッグ
https://www.tabuchi-farm.jp/

※どちらの収穫体験も要予約

 

◇ 日本農業遺産 丹波黒豆ファームツアー(兵庫テロワール旅 おすすめ体験)
お問い合わせ:B・B・LINK株式会社(事務局:丹波たぶち農場)
TEL:080-5806-1526
開催場所:丹波篠山市内各所
開催日:7月~9月の土日(平日は応相談)
料金:5500円/人(お土産付き。催行人数4名~)
https://www.hyogo-tourism.jp/terroir/experience/42/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

【HYOGO!ナビ WEBサイト 関連ページ】
丹波篠山市スポット情報はこちら

 

掲載日:令和4年7月29日

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