お賽銭をもらう&お地蔵の顔めがけて水かけ!? 不思議なお作法の願掛けが有名
「阪急清荒神駅」から今回の目的地である、清荒神清澄寺までは、100軒あまりの風情ある店が軒を連ねる商店街があり、縁起のよい「龍が天にのぼっていく」様子にも例えられる緩やかな上り坂が続きます。
地元では「荒神さん」と親しまれている清荒神清澄寺は、火の神様、台所の神様として知られていますが、こちらはお寺。本尊の大日如来様を護るために荒神様が一緒におられるのだそうです。
開創から1100年を誇る寺の境内は豊かな自然に包まれ、樹齢400年を超えるイチョウの樹や淡墨桜などがさらなる彩を添え、四季折々の美しさ広がります。
こちらで有名なのが、金運招福の「荒神影向(こうじんようごう)の榊」と、願いが一つだけ叶う「一願地蔵尊像」。
▲ 荒神影向の榊
開創の際に荒神様がお姿を現わされたと伝わる「荒神影向の榊」は、御法堂の裏手にひっそりとあります。こちらの根元にお供えされたお賽銭を頂いて帰り、次の参詣の時に、お賽銭を倍にして返すという風習が伝わっています。このお賽銭をお財布に入れておくと、お小遣いに困らなくなるそう。供えられているお賽銭をもらうなんて、とても珍しい風習だと思います。
私も、置かれている棒を使って、縁起が良さそうな五円玉を手繰り寄せ、頂きました!
お守りにすると良いことが起こるとも言われているそうなので、私も後で紐を通して大切に財布に入れておくことにします。次回、十円玉も持って来ることを忘れないようにしなければ(笑)。
▲ 一願地蔵尊像
もう一つの有名な「一願地蔵尊像」は本堂前の石段下におられます。通称、水かけ地蔵さん。柄杓の水を高々とあげながら、一心に一つだけお願いごとをすれば叶うと言われています。
とっても巨大なお地蔵さんなので、届くようにとお水を勢いよくかける祈願方法が、いつしか「水がお顔にかかれば願いが叶う」という説を生んだそうです。そのため、顔をめがけて何度も柄杓を振られる方が大勢おられるようですが、お寺の方によると、水の飛距離は関係ないそうですよ。“一願地蔵尊”なので、大切なのは「水をかけながら、一つの願いを一心に念ずること」。なので、水かけは一回で、一度に一つの願いごとがお作法。
私もしっかり願いを念じながら、柄杓を一振りさせて頂いてきました。
お地蔵さんの足元にしかお水は届かなかったけど、きっと叶うはず!
「一生に一度」ではなく、「一度に一つ」なので、願いごとが叶えば、また次のお願いごとをしていいそうですよ。
さらに、火の神・台所の神である荒神さんは、家内安全、商売繁盛、厄除け開運のご利益もあります。
パワースポットとしても人気のお寺なのですが、確かに境内奥の龍王滝そばの清廉とした空気感や古木が纏う自然のエネルギーなどが感じられて、境内はとても神秘的な雰囲気。訪れるだけで元気がもらえる気がします。
たくさんのご利益とユニークな願掛け風習のある荒神さんへ、御祈願に、そしてパワーを頂きに、ぜひ参詣してみてください。
DATA:
清荒神 清澄寺
Tel:0797-86-6641
住所:宝塚市米谷字清シ一番地
アクセス:阪急宝塚線・清荒神駅から徒歩5分
◇ 史料館
開館時間:9:30~16:30
年中無休(年末年始、8月中旬、展示替えの時は休館)
入館無料
http://www.kiyoshikojin.or.jp/