清酒生産量 全国1位を誇る兵庫県。
そして、清酒の味の決め手になる酒米(酒造好適米)。全国に数ある酒米の品種の中でも、酒米の王様とも呼ばれている『山田錦』の生産地も兵庫県です。
6月中旬は田植えの時期。
2025年の大阪・関西万博で兵庫県が計画している「フィールドパビリオン」の募集が始まった6月17日、プログラムの一例となる山田錦の田植え体験が試験的に行われ、兵庫県知事が、亜細亜大学 経営学部のウィリアム F. オコーナー名誉教授や、関西学院大学 日本酒振興プロジェクトに参加しているゼミ生の方達などと共に、三木市で山田錦を実際に体験する、三木市知事ワーケーション室が開催されました!
神戸市や明石市から車で北へ約45分。
六甲山の西部に位置する、三木市 吉川(よかわ) 町は、山間部に見渡す限り日本の原風景が広がる美しい里山地区です。隣の加東市(東条町・社町東部)とともに、「山田錦」の中でも特に品質の優れた山田錦を生産できる農地地区『山田錦 特A地区』に指定されています。
JAみのり吉川町山田錦村米部の五百尾 (いおお) 俊宏会長の農地で、田植え体験が開かれました。
山田錦の生育に適した粘土質の土壌や、苗の植え方についてお教えて頂いた後は、素足で田んぼに入り、実際の苗を一つ一つ、植えていきます。
水が張られた粘土質の土の上に立って、中腰での作業はなかなか大変そう!
今回初めて田植え体験をされたウィリアム名誉教授は、「田んぼの中の土を足の裏で感じられた。水温もちょうどよく、スパみたい!」と感想を教えてくださいました。
最近は全て機械で田植えするものの、昔は全部手植えだった農作業。
手作業でするとどのくらいの時間がかかるか五百尾さんに伺うと、「朝一から始めたら1反1日で終わる。」とのことで、それもすごい!
収穫は9月下旬〜10月上旬ごろ。
その頃行ってみると、黄金色の綺麗な稲が米部分の重みによって、深くお辞儀しているような様子がみられます。これこそ山田錦の稲の特徴!大粒の米粒と中心部の「心白」が大きいことにより、稲が倒れます。
この食用の米には無い「心白」は、清酒造りには欠かせないもの。
山田錦はこれが特に大きいことにより、精米しやすく、日本酒の雑味の元となるタンパク質が少なく、醪が溶け出しやすい、等といった特徴によって「酒米の王様」と呼ばれているのです。
もっと山田錦について知りたくなったところで、次はそれについて詳しく学べて地元の食材に出会える道の駅「山田錦の郷」へ!
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◇ ひょうごテロワール旅
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