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2022.01.01

ひょうご観光本部

令和4年新春メッセージ ひょうご観光本部 理事長

令和4年新春メッセージ

 

兵庫観光の創造的復興へ

ひょうご観光本部理事長  高士 薫

 

 あけましておめでとうございます。令和4年、2022年の新春をいかがお迎えでしょうか。阪神・淡路大震災の経験になぞらえるなら、今年は観光復興へ大きな一歩を踏み出す年になります。大切なのは、たんに元に戻す復興にしてはならない、ということでしょう。かつて兵庫が内外に発信した「創造的復興」を、観光分野で達成してみせること。観光事業者や自治体の皆さんをはじめ、関係する多くの皆さんと、その決意を取り交わしたいと思うのです。

 兵庫観光の創造的復興とはどういうものか。そのイメージはすでに示されています。昨年12月17日、兵庫ディスティネーションキャンペーン(DC)の推進協議会が設立総会を迎えました。掲げた旗は「御食(みけつ)国・兵庫五国の食と体験が織りなすテロワール旅」の実現です。

 兵庫は古くから、全国一といっても過言ではないほどの、食材の多彩さ、豊かさを誇ってきました。律令時代の日本は大きく五畿七道に区分されました。いわば道州です。五畿は五国で構成する畿内を意味しますから、全国で8ブロックです。そのなんと4ブロックにまたがるのが兵庫県です。他に類はありません。畿内から山陰道、山陽道、南海道までを包含する多様な県土が兵庫の持ち味であり、日本の縮図とも呼ばれるその多彩さが、一面では個性が見えにくい弱さにもなってきたのでした。

 あえて兵庫で束ねる必要はありません。洗練された生活文化と日本屈指の温泉が併存するおしゃれな神戸・阪神間、里山の原風景と野山の食材に満ちた丹波、荒々しい日本海の景観と海の幸にあふれる但馬、世界遺産・姫路城を顔に持つ大国・播磨、瀬戸内と太平洋の恵みを受け、近郊リゾートとして脚光を浴びる淡路。それぞれの個性にもっともっと磨きをかけたいのです。

 テロワールは、ワイン通にはよく知られた言葉です。固有の風土が個性豊かなワインと料理、文化を生み、その土地を、ぶとう畑まで訪ねて地域を丸ごと堪能する旅が、フランスでは連綿として楽しまれています。

 兵庫は但馬牛につらなる最高峰の和牛や、酒米・山田錦から醸される芳醇な酒に象徴される、まさに御食国です。食であれば固有の食材のルーツを語り、地域の歴史や文化、産業の体験へと誘う、ものがたりに満ちた本物の旅を提供することが、私たちの目指すテロワール旅。今年7月には兵庫DCのプレキャンペーンが始まり、来年7月にはJR6社がそろい踏みする本番のDCを迎えます。その先には2025年の大阪・関西万博などがあります。固有を、ローカルを極めることが、グローバルな成功の土台でしょう。

 兵庫の観光は今年、創造的復興への歩みを始めます。乞うご期待!です。

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